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【マーケティングコラム】PEST分析の手順と目的|分析のポイントや活用事例まで紹介

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マーケティング戦略を考えたときに、その分析方法は何種類かあります。本記事では、分析方法の1つであるPEST分析に焦点をあてて紹介します。

PEST分析をする目的・手順から分析のポイント・活用事例まで紹介するので、ぜひ効果的なマーケティング戦略考案に役立ててください。

 

■PEST分析とは

PEST分析とは、企業に影響を与えるもののうち外部環境を分析するためのフレームワークのことです。

 「PEST」は、

P:Politics(政治)

E:Economy(経済)

S:Society(社会)

T:Technology(技術)

 の頭文字から作られた言葉で、経営学者のフィリップ・コトラーによって考案されました。

 ちなみに、企業に影響を与えるものとしては以下の2つがあります。

外部環境:コントロールできないもの

内部環境:コントロールできるもの

 外部環境の分析を通して、自社の戦略やマーケティング施策の方向性を練っていくことになります。

 

■PEST分析の目的

PEST分析は、長い目で見て外部環境の変化が自社にどのような影響を与えるのか把握し、その後のマーケティング戦略に活かしていくことを目的にしています。

 外部環境を把握することで、企業としても不測の事態への対応も取りやすくなります。また、変化の波に乗ることができれば、競合他社に対して優位なポジションを取ることができ大きなビジネスチャンスが得られるかもしれません。

 企業はその企業一社だけで成り立っているのではなく、他の競合他社や景気、法律などあらゆる要素の影響を受けるため、外部環境は無視できないのです。


■PEST分析の4つの項目と具体例

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続いては、PEST分析を構成する4つの項目「P:Politics(政治)」「E:Economy(経済)」「S:Society(社会)」「T:Technology(技術)」についてそれぞれ詳しく解説していきます。合わせて、それぞれの項目における具体例についても触れるので、参考にしてみてください。

Politics(政治的要因)

政治的要因には、法律や規制、など行政によってルールが制定されることなどが含まれます。

例えば消費税が増税になると、企業は商品価格の見直しや内容量を検討する必要があります。また、働き方改革が進むことで、効率的な働き方やリモートワークなど従来にはなかった働き方に適応しなければなりません。

実際に政治的要因が市場に大きく影響した例としては、機能性表示食品制度の規制緩和が挙げられます。

規制緩和がされたことで、機能性表示食品に関しては事前の届け出のみで販売できるようになったため、企業にとっては大きなチャンスになりました。

Economy(経済的要因)

経済的要因には、例えば景気や雇用、物価、為替など経済の動向などが含まれています。

 例えば、景気が悪くなると消費行動も停滞し、商品の売上が落ちる可能性があるでしょう。

また、商社など輸出入業の会社にとっては、日々変動する為替市場は売り上げや利益に大きな影響があります。日本は食料や石油などあらゆる資源を輸入しているため、輸出入を扱わない製造業などでも為替の影響を受ける可能性があります。いずれにしても、経済の動向は企業活動にダイレクトに影響するので、日々のチェックも欠かせません。

Society(社会的要因)

社会的要因には、例えば、個人のライフスタイルや人口の増減、社会インフラ、事件、流行などが含まれます。

例えば、流行は商品の売れ行きにも大きく影響を与えます。煽り運転が問題となっている近年では、ドライブレコーダーを見かける機会が多くなりました。

どの企業にも影響を与える社会的要因の1つに、少子化が挙げられます。子供の数が減ることによって市場自体は小さくなりますが、子供一人にかける教育費が高くなる可能性があるため、企業によってはチャンスになります。

また、高齢者の増加は医療や介護のニーズをより高めていくため、こちらも大きなビジネスチャンスになるでしょう。

Technology(技術的要因)

技術的要因には、デジタル技術やIT技術、ビッグデータなど、さまざまな技術が含まれます。

技術が進歩することで新しい商品やサービスが生まれるため、企業や市場に大きな影響を与えることになります。近年だとAI(人工知能)は多くの企業に導入されており、将来はAIが人がしていた仕事を担う可能性も指摘されています。

具体的な例としては「FinTech(フィンテック)」が挙げられます。金融(Finance)と技術(Technology)という言葉を組み合わせた新しい概念で、金融関係のサービスを情報技術でより簡便に使いやすくすることをっ指します。例えばスマートフォンで決済サービスが利用できるなどもFinTechです。2000年代前半から徐々に注目されていましたが、近年参入する企業も増えてきています。

PEST分析の手順

ここからは、実際にPEST分析を行う際の手順について紹介します。手順に沿って行うことで、正確に外部環境を把握しましょう。

P・E・S・Tの各要素別に情報をまとめる

まずはP・E・S・Tの各要素に、自社が関係しそうな情報をまとめていきます。一例ですが、以下のような形でまとめることができます。

 pest1.png

実際には、新聞やニュース、関係各所からのヒアリングを通して具体的な情報を収集していきます。情報はいたるところにあるため、闇雲に探しているときりがありません。

業界紙や学会誌、講演会など、情報収集の的を絞るようにしましょう。

4つの要素を「機会」と「脅威」に分ける

外部環境による影響は自社にとって大きな機会(チャンス)にもなりますが、逆に脅威になることもあります。そのため、PESTに沿って集めた情報を機会と脅威にそれぞれ分けていくのが次のステップです。例えば以下のような形です。

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ここで注意しなければいけないのは、脅威は視点を変えると機会にもなるということです。

例えば、人口減少は消費の減少に繋がるため脅威と考えられますが、先ほど紹介したように1人にかける教育費は増える可能性があるため、見方によっては機会になります。

もちろん機会が脅威になる可能性もありますが、振り分ける際には複数の視点を持つことが大切です。

機会・脅威を「短期的」と「長期的」に分ける

それぞれ振り分けた機会と脅威は、それが「将来的に起こることなのか」「近いうちに起こることなのか」という視点で分けていきます。

例えば以下のような形です。

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企業が戦略を考える上で重要なのが、時間軸を揃えることです。同じ機会でもすぐに起こりそうなことと、数年後、数十年後に起こりそうなことを同時に議論することは難しいでしょう。時間軸を統一し、同じ目線で議論を行うことで、生産性の高い具体的な戦略を練ることができます。

他のフレームワークと合わせて分析する

他のフレームワークを併用することで、PEST分析をより効果的なものにすることができます。ここでは、例として3CとSWOTを紹介します。

3Cとは、自社を取り巻く環境に関して、「顧客 ・市場(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」という3つの視点から情報を収集行うフレームワークです。

顧客・市場では、市場規模やニーズなど消費者に関係ある項目を振り分けます。

競合では、自社の商品やサービスと競合する商品・サービスなどを振り分けます。

自社では、自分たちの会社の強みや理念、資源などを振り分けていきます。

ここでは文脈から「顧客」を使用しています。

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次にSWOT分析とは、自社を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」という4つの視点から分析を行います。以下のSWOTでは、4つの視点に内部環境、外部環境という要素を加えた形になっています。

 pest5.png

これらのフレームワークを使えば、3C分析とPEST分析で自社を取り巻く環境に関する情報をまとめ、SWOTでそれぞれに対する解釈を深めていくといった活用が可能になります。

■PEST分析のポイント

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続いては、PEST分析を実施する際のポイントを3つ紹介します。初めてPEST分析を行う場合は、しっかりと確認しておきましょう。

P・E・S・Tそれぞれの変化を見逃さない

もっとも大切なのは、PESTの各要素における変化をしっかりと把握することです。政治、経済、社会、技術に関しては日々変化が起こっており、今日と明日とでは状況が一変してしまうケースもあります。時代や流行、ニュースなどに敏感になり、ちょっとした変化もすばやく対応できるようにすることが大切です。

4つの要素の相互関係を見極める

PEST分析は4つの要素で分析を行いますが、それぞれの要素は独立しているわけではありません。各要素はお互いに関係し合っているため、例えば経済の影響が政治にも影響を与える可能性がありますし、技術革新が社会に新たなトレンドをもたらすこともあります。各要素の相互関係を考えることで、単体では見えてこなかった脅威や機会が見えてくることもあります。

戦略まで考える

分析をした結果、自社に対する脅威や機会が短期・長期で判明したら、それを戦略に落とし込んでいく必要があります。PEST分析を行うだけでは、現状把握にとどまってしまいます。分析をして安心するのではなく、その結果をマーケティング戦略にどう活かしていくのかまで考えなければいけません。

■PEST分析の活用事例

最後に、PEST分析を実際に活用した事例について紹介します。PEST分析を行った結果、次にどういった取り組みをすればいいのかが見えてくる事例です。

教育アプリ開発会社の活用事例

1つ目の事例は教育アプリを開発する会社が、子供向けプログラミング教育アプリを想定して行ったPEST分析です。各要素の内容は以下のようになっています。

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これらの要素を踏まえて分析を行うことで、プログラミング教育と、教育アプリに触れさせることの重要性が浮かび上がり、アプリの展開に対する説得力を高めることができるでしょう。このように、PEST分析を行うことで、自社の商品開発を後押しするような結果を得ることができています。

自動車会社の活用事例

続いては、大手自動車会社が初めて赤字を記録したタイミングで行われたPEST分析です。初の赤字という事態に対して、自動車会社を取り巻く外部環境を以下のようにまとめています。
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これらの要素から「環境」と「中国」というキーワードが浮かび上がってきます。

つまり、環境を意識した車の展開、中国市場への注力といった取り組みが赤字転落という状態からの復活を図るためにキーワードということになります。

実際にはPEST分析のほかにも、さまざまなフレームワークを活用しながら分析を行い、分析の結果を次の戦略へと落とし込んでいくことが重要です。

■まとめ

PEST分析は政治、経済、社会、技術、という企業の外部要因について把握するために行うものです。業績が好調であっても、外部環境の急な変化によって状況が一変する可能性は大いにあります。そのため、PEST分析を行い外部環境に関する脅威、機会を把握することは非常に重要です。

「クレディセゾン」は、市場調査や広告など、企業向けの様々なマーケティングサービス、ソリューションを提起しています。自社を取り巻く環境を把握するために市場調査を行いたい、競合他社の分析を行いたいなどの課題を抱えている企業の担当者の方はぜひご相談ください。

 

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